防犯コラム

ディンプルキーとギザギザのカギはどちらが安心!? その①


 

カギの防犯性能についてよく質問されるのは、ディンプルキーの方がギザギザに刻みがある従来のカギより防犯性能が高いのかについてです。
答えとしては、ディンプルキーであれば必ずしも防犯性能が高いとは限りません。
その理由について説明する前に、まず皆様にご理解いただきたいのが防犯性能自体はそのカギ穴を構成している部品、シリンダーの性能によって決まるということです。
よって、まずそのシリンダーの基本的な構造について簡単に説明したいと思います。

 

Cylinder(シリンダー)とは円筒を意味する英単語で、カギ穴部のシリンダーは大小2つの円筒が重なった状態で構成されています。
中心部にはプラグと呼ばれる円筒があり、そのプラグより一廻り大きい頑丈な外筒によりガードされています。
そのプラグの先端部はドア内にあるデッドボルトといわれる部品と連結されており、プラグの回転によりデッドボルトがドア内から出たり入ったりします。
そのデッドボルトとはドアを施錠する部品で、古くはカンヌキと呼ばれたドア締まり部品です。
※ [ 図-1] のピンク色部品がデッドボルトです

 

[ 図-1]     [ 図-2 ]   

 

その外筒と内筒にあたるプラグには、簡単に回転させないためにピンやディスク(板)形状の金属部品が配置されています。
この回転制御しているピンやディスク部品をタンブラーと呼びます。
そのタンブラーがプラグを簡単に回転できないよう邪魔しているのです。それを邪魔させない位置に移動させるのがカギです。

[ 図-2 ]のようにカギをプラグに挿入すると、赤と青で示された2分割しているタンブラーの切れ目が一直線に揃いプラグがカギにより回転できる状態になります。
カギの刻みやディンプル形状が一定ではないのは、ピンタンブラーの分割位置がそれぞれ違うためで、このピンタンブラー本数が多ければ多いほど防犯性能も高くなる傾向にあります。

 

[ 図-2 ] では世界的に見て最も普及しているピンシリンダーを例に説明しましたが、この他によく使われているのはディスクタンブラー型式のカギです。
その他にもカギがカード状のカードロックなどありますが、普及率は極めて少ないので、住宅や事務所の玄関に採用されているシリンダーのほとんどは、ピンやディスクタンブラーが使用されているとも言えます。
そして防犯性の高いカギとは、シリンダーの内部構造にどれだけ防犯性能を高める工夫がされているのかが決め手となります。

その続きは、次の記事② で説明させていただきます。

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