防犯コラム

知って納得☆カギのお話 ③ ディンプルキーとギザギザのカギでは、どちらが安心!?

記事① および記事② では、防犯性能はシリンダーの構造により決定するためカギの刻みやディンプルが多ければ多いほど安心であると説明しました。カギの刻みが多い、という事はシリンダー内には多くのタンブラーが配置されており、ピッキングがしづらいからです。ピッキングとは、カギを使用せず特殊な道具でシリンダーを解錠させてしまうテクニックで、今から20年ほど前にこの技術を悪用した犯罪者による被害が国内で急拡大しました。その対策として、国内メーカー各社はピッキングがほぼ不可能な高性能シリンダーを開発しました。その高性能化を図る方法の一つがディンプルキーです。タンブラーを数多く配置させる事により、そのピッキングが極めて難しくなるからです。ですが、その高性能化は皆様にとって必ずしもいい事づくめではありません。それによる代償を支払う必要が出てきたからです。

 

まずその1つは、シリンダーが高価格になることです。どんな機械も、部品点数が少なく加工手間が減れば減るほど安く製作できます。逆に言えば、それらが増えるほど当然、高価格になるのです。

 

そして2つめは部品点数が増え複雑化するほど機械は故障しやすくなります。従来型のギザギザしていたカギを使用していたシリンダーは、構造がシンプルゆえ何も手入れしなくても20年以上故障する事なく使用できる事が普通でしたが、高性能シリンダーはメンテナンスフリーではありません。その精密さゆえ、些細なゴミや埃がシリンダー内に入り込み不具合が発生する事も少なくありません。その背景には、より防犯性能を高めるため進化した構造の複雑さにあると言えます。そのシリンダー製品を製造および供給している錠前メーカーが主催する団体・日本ロック工業会では、錠の耐用年数は一般錠で10年、電気錠なら7年が目安であると発表しています。

 

そして3つ目として、ピッキングは特殊道具をシリンダーに挿入する為、その入り口が広く開いている方が道具を入れ易く、カギ山の高さが低い方が行い易いので、その点でいえばディンプルキーは不利になる、という点です。カギの表面に刻みを彫り込むため、カギ自体の厚みが薄いと反対方向に貫通してしまうため、ディンプルキーは厚みが増す傾向にあります。すなわち、シリンダーのカギ穴が広く見えるはずです。従来のギザギザ鍵が厚みが薄く、正面から見るとクネクネ曲がっているように見えるのは、このピッキング対策上の理由だったのです。鍵の厚みを薄くすればするほど鍵の強度は落ちるため極端に薄くはできないものの、ほとんどがディンプルキーの半分程度の厚みです。

 

 

 

以上の理由により、次のように結論づける事ができます。

 

①  シリンダーの防犯性能はタンブラー数により決まるので、カギの刻みが多い方が安心です。たとえディンプルキーでもくぼみの数が少ない物もあるので、メーカーホームページなどで確認する事をお勧めします。

②  ギザギザした鍵でも、最新式のものは万全なピッキング対策が行われている製品もあります。よってお使いのカギの使用期間を確認すべきです。10年以上前だと耐用年数を過ぎている可能性があるのと、そもそも防犯性能が最新式でない可能性が高いはずです。

 

最新式のコンピューターがウィルス対策のため定期的にアップデートしているように、ドアロックもピッキングだけでない様々な開錠手段に対抗すべく、年々進化し続けています。その進化により、ギザギザの従来カギを使用するシリンダーでも防犯性能が極めて高い製品があるのも事実です。ゆえに、ディンプルキーでなければ防犯性能が低いとは一概に言い切れません。

 

では次に、それら製品を記事④ にてご紹介しましょう。

 

 

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